採掘難易度の上昇とは
2024年5月5日、ビットコイン採掘の難易度が過去最高となる大台に達しました。ビットコイン採掘の難易度は、ネットワーク全体の計算能力に応じて約2週間ごとに調整されます。計算能力が高まれば難易度も上がり、新しいブロックを見つける確率が下がります。
最新の調整で、ビットコイン採掘の難易度は過去最高の37.6兆に達しました。これは、高性能な採掘機を使っても新規ブロックを見つけるのが困難になったことを意味しています。
マイナーの採算が著しく悪化
採掘難易度の上昇は、マイナーの採算性を直撃しています。採掘報酬は一定ですが、新規ブロック発見の確率が下がれば、同じ電力とリソースを使っても報酬が減少するためです。中小規模のマイナーは赤字となり、事業の継続が危ぶまれる状況です。
過去1年間のビットコイン採掘難易度の推移
2023年5月 : 28.6兆
2023年7月 : 30.2兆
2023年9月 : 32.1兆
2023年11月: 34.6兆
2024年1月 : 35.9兆
2024年3月 : 36.8兆
2024年5月 : 37.6兆 (過去最高)
スケールメリットを持つ大手マイナーへの集中が加速か
このような環境下で、規模の経済を活かせる大手マイナーへの集中が一層進む可能性があります。大手は低コストの再生可能エネルギーを調達しやすく、高額な専用マシンの更新も容易です。中小マイナーが次々と撤退に追い込まれれば、マイニングの中央集権化が避けられない状況になりかねません。
マイナーの採算性悪化と市場の寡占化は、ビットコインのデータ信頼性を損なう危険性があります。分散化の重要性をふまえ、採掘難易度への対策が業界全体で検討されるでしょう。
主要キーワード解説
- ビットコイン採掘 – 新規ビットコインを発行し、取引の承認を行うプロセス。高性能なコンピューティング能力が必要。
- 採掘難易度 – ビットコインネットワークの総計算能力に応じて採掘の難易度が調整される。計算能力が高まれば難易度も上がる。
- 規模の経済 – 事業の規模が大きくなるほどコストが抑えられ、収益性が高まる経済原理。
- 中央集権化 – 分散するべきシステムが特定の主体に集中する事態。ビットコインでは避けるべき問題視される。
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