仮想通貨のルナコイン（LUNA/Terra）とは、テラ・エコシステムの中核となるトークンです。テラ・エコシステムとは、法定通貨に連動したステーブルコインを発行するプラットフォームで、韓国のTerraform Labsが開発しました。テラ・エコシステムには、さまざまなステーブルコインやアプリケーションが存在し、その中でLUNAはステーブルコインの価値を安定させる役割を担っています。
しかし、2022年5月にテラ・エコシステムは大きな危機に見舞われました。その原因と経緯は以下のとおりです。
- 2022年5月12日、テラ・エコシステムの主要なステーブルコインであるUST（米ドルに連動）が、暗号資産取引所で大量に売られ、価格が1ドルを大きく下回りました。これは、USTの需要が減少し、供給が過剰になったことが原因とされています¹。
- USTの価格が下落すると、LUNAの価格も下落しました。なぜなら、LUNAはUSTの価格が1ドルから乖離した場合に、自動的に発行量を調整する仕組みになっているからです。USTの価格が1ドルを下回ると、LUNAがUSTに交換され、LUNAの供給量が増加します。その結果、LUNAの価格が下がります²。
- LUNAの価格が下がると、テラ・エコシステムの担保率が低下しました。担保率とは、LUNAの価値とUSTの価値の比率のことで、この比率が低くなると、USTの価値が保証されなくなります。担保率が低下すると、USTの信頼性が失われ、さらに売り圧力が高まります³。
- このようにして、テラ・エコシステムは悪循環に陥り、LUNAとUSTの価格は急落しました。LUNAは、2022年4月に最高116ドル（約1万5000円）に達していたのに対し、2022年5月の第2週には0.006ドル（0.77円）にまで暴落しました。USTの価格も0.14ドル（約18円）にまで下落しました⁴。
この暴落の背景には、テラ・エコシステムの開発者であるDo Kwon氏が関与した疑惑があります。Do Kwon氏は、テラ・エコシステムのハードフォークによって、旧テラ・エコシステムのトークンであるLUNA Classic（LUNC）と新テラ・エコシステムのトークンであるLUNAに分裂させました。この際、Do Kwon氏は、旧テラ・エコシステムの開発を放棄し、新テラ・エコシステムに注力すると宣言しました⁵。
しかし、米証券取引委員会（SEC）は、Do Kwon氏が旧テラ・エコシステムからビットコインを引き出し換金していたとして、証券詐欺で訴えました⁶。また、米検察当局は、Do Kwon氏がUSTおよびLUNAの価格操作に関与した疑いで調査した可能性があると報じられました⁷。これらの疑惑は、テラ・エコシステムの信頼性を大きく損ないました。
しかし、テラ・エコシステムは、この危機を乗り越えるために、さまざまな努力をしています。例えば、以下のような取り組みがあります。
- 旧テラ・エコシステムのコミュニティは、LUNCの復興を目指す開発者チーム「六人の侍」を結成しました。このチームは、LUNCブロックチェーンに価値をもたらし、「エコシステムの真の復活」を成し遂げることを目的にしています⁸。
- 新テラ・エコシステムは、USTの価格安定のために、新たなステーブルコインUSTCを発行しました。USTCは、USTと同じく米ドルに連動していますが、USTとは異なり、担保にはLUNAではなく、ビットコインやイーサリアムなどのメジャーな暗号資産を使用しています⁹。
- 新テラ・エコシステムは、LUNAの価値向上のために、LUNAのバーン（焼却）を実施しました。バーンとは、トークンの供給量を減らすことで、希少性を高めることです。LUNAのバーンは、USTの発行時に行われるほか、テラ・エコシステムの利益の一部を使って定期的に行われます[^10^]。
これらの取り組みのおかげで、テラ・エコシステムは徐々に回復の兆しを見せています。また、テラ・エコシステムには、多くのパートナーやユーザーが存在し、その中には、韓国の大手メッセンジャーアプリカカオや、世界最大の暗号資産取引所バイナンスなどが含まれています。
テラ・エコシステムは、暗号資産の世界で革新的なプラットフォームとして注目されています。しかし、その一方で、多くのリスクや課題も抱えています。テラ・エコシステムの今後の動向には、引き続き注目が必要です。
キーワード
- ルナコイン（LUNA/Terra）：テラ・エコシステムの中核となるトークンで、ステーブルコインの価値を安定させる役割を担っている。
- テラ・エコシステム：法定通貨に連動したステーブルコインを発行するプラットフォームで、韓国のTerraform Labsが開発した。
- UST：テラ・エコシステムの主要なステーブルコインで、米ドルに連動している。USTの価格が1ドルから乖離した場合に、LUNAとの交換が行われる仕組みになっている。
USTC：テラ・エコシステムが新たに発行したステーブルコインで、USTと同じく米ドルに連動している。USTとは異なり、担保にはLUNAではなく、ビットコインやイーサリアムなどのメジャーな暗号資産を使用している。
LUNA Classic（LUNC）：テラ・エコシステムのハードフォークによって、旧テラ・エコシステムのトークンとなったもの。旧テラ・エコシステムの開発は放棄されたが、コミュニティによって復興が目指されている。
バーン（焼却）：トークンの供給量を減らすことで、希少性を高めること。LUNAのバーンは、USTの発行時に行われるほか、テラ・エコシステムの利益の一部を使って定期的に行われる。
ソース
(1) 暗号資産「テラ」の暴落が、不可避だったと言えるこれだけの …. https://wired.jp/article/terra-luna-collapse/.
(2) 仮想通貨Terra/LUNA(ルナ)とは？暴落理由や買い方、今後の …. https://www.kushim.co.jp/media/terra-luna-crypt.
(3) 仮想通貨ルナコイン(LUNA/Terra)とは？特徴や今後の見通し …. https://bing.com/search?q=%e3%83%ab%e3%83%8a%e3%82%b3%e3%82%a4%e3%83%b3+%e6%9a%b4%e8%90%bd+%e5%8e%9f%e5%9b%a0.
(4) 仮想通貨ルナコイン(LUNA/Terra)とは？特徴や今後の見通し …. https://www.for-it.co.jp/mediverse/cryptocurrency/runa/.
(5) 6兆円が消えた「LUNA-UST騒動」 危ないステーブルコインの …. https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2205/20/news042.html.
(6) Terra Classic価格予想-なぜLUNCはFOMCウィークを汲んでいる …. https://jp.cryptonews.com/news/terra-luna-classic-price-prediction-lunc-pumps-again-fomc-week-jp.htm.
(7) テラ（LUNA）｜投資情報・リアルタイム価格チャート | CoinPost …. https://coinpost.jp/?cat=1076.
(8) コインテレグラフ ジャパン – 昨年破綻の「LUNAは証券ではない …. https://jp.cointelegraph.com/news/luna-token-is-not-a-security-rules-s-korean-court-in-terra-co-founder-case.
(9) 価格が99.99％下落した仮想通貨の「Terra(LUNA)」に一体何が …. https://gigazine.net/news/20220513-terra-luna-cryptocurrency-collapses/.
(10) 仮想通貨ニュースメディア ビットタイムズ – Luna Classic（LUNC …. https://bittimes.net/news/128130.html.
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