2025年6月Pi Networkまとめ:AI戦略の幕開けとオープンネットワークの確かな進捗

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2025年6月、スマートフォンマイニングで巨大なコミュニティを築いたPi Networkは、プロジェクトの未来を左右する複数の重要な発表と進捗報告を行いました。AI戦略の本格始動を告げる「Pi2Day 2025」での新構想、オープンネットワーク移行後の具体的な成果、そしてユーザー体験を改善する地道なアップデートまで。この1ヶ月間の動きは、Pi Networkが投機のフェーズを越え、「実用性」を追求する新たな段階へ明確に突入したことを示しています。本記事では、この1ヶ月間の主要な出来事を時系列で網羅し、その核心を解説します。

先月のまとめはこちら
2025年5月Pi Networkまとめ:主な出来事と今後の展望

6月19日:ユーザー体験の改善:KYCプロセスの透明性向上

プロジェクトの根幹を支えるユーザー体験の改善も着実に進んでいます。特に多くのユーザーが課題を感じていたKYC(本人確認)プロセスにおいて、新機能「ステータス同期ボタン」が導入されました。

これにより、マイニングアプリとKYCアプリで表示が異なるといった問題が解消され、ユーザーは自身の最新ステータスを正確に把握できるようになりました。また、「暫定承認」というステータスがプロセスの停滞ではなく、ネットワークの安全性を保つための正常な追加検証段階であることも改めて説明され、プロセスの透明性が向上しました。

KYCステータスが「暫定承認」のまま?新機能「同期ボタン」の役割と使い方を徹底解説

6月20日:オープンネットワーク100日達成:着実に進む「実用性」の構築

Pi Networkは、外部システムとの連携を可能にする「オープンネットワーク」への移行から100日が経過したことを報告。プロジェクトの焦点が「実用性(ユーティリティ)」の構築へ明確にシフトしていることを示す、具体的な進捗が共有されました。

  • ネットワーク基盤の成長:メインネットへの移行を完了したユーザーは1,300万人を突破。ネットワークの安定性を支えるアクティブノードも40万を超え、基盤が着実に拡大しています。
  • エコシステム支援の本格化:優れたアプリやビジネスを支援するため、1億ドル規模の投資イニシアチブ「Pi Network Ventures」が始動。実用的なユースケースの創出を加速させます。
  • 実用化の推進:3月に開催された大規模オンラインイベント「PiFest」の成功や、覚えやすいデジタルIDとなる「.piドメイン」の導入など、Piが実際に「使える」場面を増やす取り組みが成果を上げています。

Pi Network「オープンネットワーク」100日の進捗:公式発表を客観的に読み解く

6月26日:外部環境の追い風:金融大手とWeb3の接近がもたらす可能性

6月は、Pi Networkを取り巻く外部環境にも大きな変化がありました。

  • 米FRB議長の発言(6/24):米国の中央銀行トップが、銀行による暗号資産関連サービスの提供に前向きな姿勢を示し、暗号資産全体の社会的信頼性が向上しました。
  • マスターカードとチェーンリンクの提携:決済大手のマスターカードが、Web2(現在のインターネット)とWeb3(ブロックチェーンの世界)を繋ぐ画期的な提携を発表。

Pi Networkは、この提携の技術的な要である「チェーンリンク」と既に接続済みです。このことから、コミュニティでは将来的に「Piの法定通貨への換金性向上」や「マスターカード網でのPi決済」といったシナリオへの期待が高まっています。

※注意:これらは外部環境から推測される可能性であり、Pi Networkやマスターカードからの公式な提携発表ではありません。

マスターカードとチェーンリンク提携は追い風か?パイネットワーク(Pi)の将来性を最新ニュースから徹底解説

6月28日:Pi2Day 2025:AI戦略の全貌と新時代のアプリ開発

今年のPi2Day(6月28日頃)で発表された最大のニュースは、Pi NetworkのAI分野への本格参入です。その核心は、AIが生み出す富を一部の企業が独占するのではなく、ブロックチェーン技術を用いてコミュニティに公正に分配するという壮大なビジョンにあります。このビジョンを実現するため、2つの中核機能が発表されました。

  1. Pi App Studio:誰もが開発者になれるプラットフォーム
    プログラミング知識がなくても、日常的な言葉で指示するだけでAIがアプリを自動構築してくれるノーコード・プラットフォームです。これにより、数千万人のコミュニティから生まれる無数のアイデアを形にし、エコシステムを爆発的に成長させることを目指します。
  2. Ecosystem Directory Staking:コミュニティによる価値評価
    ユーザーが応援したいアプリに自身のPiを預け入れる(ステークする)ことで、そのアプリをエコシステム内で目立たせることができる仕組みです。広告費の多寡ではなく、コミュニティの集合知によって本当に価値のあるアプリが評価される、分散型ランキングシステムと言えます。

これらの発表は、Pi Networkが単なる暗号資産ではなく、価値創造と分配のための社会基盤を目指していることを強く印象付けました。

Pi2DAY Pi NetworkがAI戦略を始動。「Pi App Studio」と新構想で目指す未来とは?

2025年6月の総括

2025年6月は、Pi Networkが「壮大なビジョンの提示」と「着実な開発の実行」を両輪で進めていることを証明した1ヶ月でした。AI戦略という新たな成長エンジンを始動させると同時に、オープンネットワーク下で実用的なエコシステムを育てる地道な努力を続けています。金融業界全体のWeb3への接近も追い風となる中、Pi Networkが描く「誰もがアクセスできる金融革命」がどのように具現化していくのか、その歩みから一層目が離せません。

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