2026年7月、Pi Networkは前月の「Pi2Day 2026」で発表された新構想を怒涛の勢いで具体化・実装に移す1ヶ月となりました。暗号技術面ではゼロ知識証明(ZK)を導入するProtocol v25の発表やノードのProtocol v26.1への順次移行が進み、ノード環境では0.6.x系による分散AIインフラ「SoloHost」とローカルAI「Hermes」の実運用がスタート。さらにLaunchpadでのDeFi(流動性プール)体験や、1億ドルファンドによるロボティクスAI企業への出資など、実世界と先端技術を結ぶエコシステム拡張が加速しました。本記事では、この1ヶ月間に起きた主要な出来事を時系列で網羅して解説します。
先月はこちらを参考ください
2026年6月 Pi Networkまとめ:Pi2Day 2026開催とAI・分散型インフラ拡張で飛躍する実需経済
7月12日:Pi App Studioバックエンド刷新!「永続的ストレージ」とAI企画フェーズ導入
独自のアプリ開発基盤「Pi App Studio」に大規模アップデートが実施されました。これまで使い切り(単一セッション)だったAI生成アプリに「永続的ストレージ(Persistent Storage)」が導入され、ユーザーデータをセーブ・復元できる真の実用アプリが構築可能になりました。さらに、AIが壁打ち相手となってアイデアを構造化する「アプリ企画フェーズ」も追加され、専門知識のない個人でも高品質な実需アプリを作れる環境が整いました。
7月12日:Pi Node 0.6.x系登場!分散AIインフラ「SoloHost」とローカルAI「Hermes」始動
Pi Node(Pi Desktop)バージョン0.6.0 / 0.6.1が連続リリースされました。ダッシュボードにはスマートコントラクト用インターフェース「Soroban RPC(Port 8003)」と、個人のPC計算資源を提供する「SoloHost」が新設。Docker Model Runnerを介して、Nous Research開発の自律型ローカルAI「Hermes」を完全オフラインで稼働させ、モバイルの「Pi Sign-in」でリモート操作する次世代の分散コンピューティング基盤が始動しました。
7月15日:Protocol v25発表!「ゼロ知識証明」基盤の導入とマイニングアプリUI刷新
7月22日実施の「Protocol v25」が正式案内されました。核心となるのは「必要な事実だけを証明し余計な情報は明かさない」暗号技術「ゼロ知識証明(BN254 / ポセイドンハッシュ)」の基盤導入です。これによりプライバシーを重視した本人確認や資格証明アプリの構築が可能になります。同時にマイニングアプリのサイドメニュー整理や待望の「ダークモード」実装、Fast Track KYCに伴うウォレット作成導線の整理も行われました。
7月18日:Mine PiアプリUI刷新&Pi Launchpadへリアルタイム価格チャート統合
「Mine Pi」マイニングアプリの機能群がメインネット、おすすめアプリ、マイニング情報、Piエコシステムの4カテゴリに合理的にグループ化されました。また、トークン発掘プラットフォーム「Pi Launchpad」には、1時間から全期間まで対応するリアルタイム価格チャートや流動性プールデータが直接組み込まれ、アプリを移動せずに市場分析とDeFi操作が行えるワンストップなWeb3体験へと進化しました。
7月21日:【ファクトチェック】OSLステーブルコイン生態系マップにPi Network掲載の真偽
Web3データ基盤RootDataが公開した「OSL Stablecoin Partner Ecosystem」マップにPi Networkのロゴが掲載され話題となりました。徹底的な調査の結果、掲載位置は「Blockchain(基盤チェーン)」枠でありステーブルコイン化ではないこと、OSLとの直接の公式提携ではなくデータ推薦モデルによるマッピングであることなど、感情論を排除したファクトチェックと注意すべき3つのリスクを整理して論説しました。
7月25日:Pi Launchpad「SLICE」配布完了!流動性プールとAMMで学ぶDeFiのリアル体験
第2弾テストトークン「SLICE」の配布(24万2,000人超が参加)が完了し、流動性プールとDEXスワップ機能が開放されました。定数積公式(x × y = k)に基づく自動マーケットメイカー(AMM)の挙動や価格形成の仕組みを、金銭的リスクのないテスト環境で体感できる貴重な教育機会としてコミュニティに提供されました。
7月28日:Pi Network VenturesがフィジカルAI「Axis Robotics」に出資(Seed 1,200万ドル)
Pi Foundationの1億ドルファンド「Pi Network Ventures」が、ロボットAI用学習データを生成するAxis Roboticsの1,200万ドル(約19.6億円)Seedラウンドに参加しました(リード投資家はHack VC)。OpenMindに続く2件目の公開ロボティクス投資となり、物理世界で機能するAI(フィジカルAI)とブロックチェーン基盤の融合に向けたファンドの戦略的な動きが浮き彫りとなりました。
7月30日:Pi Node「Protocol v26.1」アップグレード開始!8月11日締め切りと Protocol v27.0への展望
8月11日を期日とする「Protocol v26.1」へのノード順次アップデートガイドが公開されました。19.1から段階的に進んできたプロトコル移行ロードマップの現在地(25.2→26.1)を整理し、Windows/macOS(自動更新)、Linux CLI(pi-node update-protocol)、Docker環境ごとの適用手順を解説。さらにロードマップの最終到達点として「Protocol v27.0」の存在が明記され、ノードコミュニティに大きな期待を与えました。
2026年7月の総括
2026年7月は、Pi Networkが「単なるモバイルマイニング通貨」を超えて、「AI・DeFi・フィジカルAIを包括する巨大な統合Web3インフラ」へと劇的な進化を遂げた1ヶ月でした。ゼロ知識証明(Protocol v25)やノードの高速プロトコル移行(v26.1/v27.0)といった暗号技術基盤の強化、SoloHostやローカルAI「Hermes」による分散計算資源の活用、さらには1億ドルファンドによるWeb3×AI・ロボティクス企業への実質的な出資など、オープンメインネットへ向けたパズルのピースが完璧な精度で組み合わさりつつあることが実証されたと言えるでしょう。


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